『依存先』をたくさん持ってみましょう
皆さんは、ご友人や行きつけの店、趣味関係など、関わっている人や物がどれだけありますか?
今回は、それらが多いと自分を楽にしてくれる、ということをお話したいと思います。
たとえば、先ほど挙げた中で、友人について考えてみます。
これについては少ないからダメ、多いから良い、という単純なものではなく、
「相談や愚痴ができるか」で考えたほうがいいでしょう。
これは、例えば1~2人にしか相談や愚痴ができないとすると、その相手の方は頻繁にそれに対応することになり、だんだん負担に感じてきて、あなたに会ったりするのが嫌になるかもしれません。
また、行政機関などでは、担当の方の不在や長期休みで話せないことがあります。
その結果、あなたの話を聞いてくれる人がいない状態になり、モヤモヤを抱えて生活することになります。
しかし、3人以上にそういった話ができるとなると、1人にかかる負担は減ります。
その結果、誰か一人は相談に乗ってくれたり、愚痴を聞いてくれたりする確率が上がります。
つまり、自分の話をしっかり聞いてくれる人を増やしておくことが、自分のモヤモヤを解消するきっかけの一つとなるのです。
これは、支援機関などの相談員さんにも当てはまるでしょう。
相談も愚痴も、頭の中に溜めずに言葉に出すのが大事です。
そういった機会をどれだけ増やせるか、で心も穏やかに保てる時間が増えるでしょう。
大切なのは、小出しにモヤモヤを発散できる環境です。
趣味も自分を楽にしてくれます。
植物を育てる、庭で野菜を育てるなどの緑に触れるものや、ランニングやウォーキング、ヨガ教室など、身体を動かし健康に良いもの。
手芸や編み物、絵を描くこと、はたまた車や電車などの乗り物関係などなど。
できればお金がかからないもののほうがより続けられるでしょう。
大事なのは、自分がやってて心地いい、楽しいと思える趣味を見つけることです。
よく行くお店がいくつかあると、そこでのあいさつや会話が発生します。
お店の業態にもよりますが、飲食店ならお店の方や顔なじみのお客さんとの会話がありますし、スーパーなどの小売店やパン屋さんでも、会計の際のやりとりがあります。
何度も通っていれば、顔を覚えてもらえることもあるでしょう。
その際に会話が少しできるかもしれません。重要なポイントは、初めはあいさつ程度で終わってもいいということです。
時間をかけて、徐々に関係が深くなれば素晴らしいことです。
急いで作り上げた関係は、解消するのも急に訪れると言われています。
ですから、関係づくりは焦らずゆっくりと行うのが肝心です。
これはどんな場面(学校や職場、地域など)でも役立ちます。
まとめますと、『依存』するのは人だけではなく、物でも構いませんし、いわゆる「推し」でも構いませんし、運動などの動作でも構いません。
ご自分にとって、話し相手になってくれる人、一緒にいて心地いい人、全力で推せる人(キャラ)、楽しくなれる趣味、心地よくなれる運動…。
それらを複数持っておくと、ストレスやモヤモヤの解消方法が複数に分散されます。
「自立とは、依存先を増やすこと」
脳性麻痺でありながら医師として活動する、熊谷晋一郎さんの言葉です。
自分一人でこなすことが自立ではなく、周囲の方々と時々協力してこなすことが自立だといえます。
とはいえ、日々忙しい生活の中では難しいこともあるでしょう。
少しずつ、できる範囲で構いませんから、小さなお店に通ったり、習い事を始めたり、同じ趣味の人が集まるコミュニティ(SNS含む)に参加してみたりと、お互いに依存し、頼り、ともに協力しながら生活することを少しずつ意識してみましょう。
(村上)
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